| 1. 匿名組合とは
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匿名組合とは、資本家と有能な経営者を結びつける企業形態であり、その特徴は出資者が背後に隠れ、対外的には営業者の個人企業として現れるところにあります。具体的には、不動産賃貸業の経営には明るいけれども資金力の乏しい営業者が、余剰資金を持ちながら副業を禁止されている会社員複数から匿名で出資を募り、営業を行う場合等に利用できます。この点だけをみると、所有と経営の分離した株式会社に対して株主として出資する場合と何ら変わりません。では、なぜ今日、匿名組合が株式会社に代わる新しい組織として注目されているのでしょうか。匿名組合と株式会社は、どんな点が異なるのでしょう。
まず、法律上は上述の例でいうと、不動産賃貸業に出資された全財産は営業者(経営者)のものとされ、その経営は営業者の単独事業とされます。
一方、株式会社では、出資された財産は会社の財産として認められ、株主にはその出資割合に応じた持分が認められます。また、会社の行う事業に対しては、株主総会を通じて株主の意思が反映されます。
但し、最近時折見る議論として、匿名組合の出資者は営業者に対して影響力を及ぼすべきではなく、そうすると匿名組合たる性質が失われるという説があります。
しかし、匿名組合と金消契約の区分を巡る判例では、匿名組合の本質は「事業参加の意志」にあるものとされ、「浮動する利益」が要件ではないものとされています(最高判 10/2/62他)。また、匿名組合と任意組合の区分を巡る判決ではその差異は「財産の共有」があるかどうかとされます(中華公司事件、東京地 10/9/79等)。更に、匿名組合と法人格なき社団を巡る判決では、法人たる「構成員の組織、定款等に相当する組織規律等」がその区分のポイントとなっています(熊本ねずみ講事件、福岡高判 7/18/90)。したがって、組合員が匿名組合営業者に対して普通以上の影響力を有したとしても、その結果認定されうるのは任意組合だけであろうと思われます。
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